【ショコラフランス】ハードパンが苦手でも大丈夫!こねない製法でパン屋さん級に作るコツ

焼き上がった本格的なショコラフランスの断面

「本格的なハード系のパンを家で焼きたいけれど、こねるのが大変そう……」「お店のようなパリッとした質感が出ない……」そんな悩みをお持ちではありませんか?

今回は、力作業を一切必要としない「こねない製法」と、じっくり時間をかけて旨味を引き出すオーバーナイト法」を組み合わせた、究極のショコラフランスをご紹介します。家庭用のオーブンレンジでも、少しのコツを押さえるだけで、驚くほど本格的なパンが焼けますよ。

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1. 最高の材料を揃える:プロ級の仕上がりへの第一歩

ショコラフランス作りに必要な準強力粉やココアパウダー

材料リスト(4本分)

材料名分量役割・補足
準強力粉(リスドォル推奨)288gハード系の質感を出すためのフランスパン専用粉
ココアパウダー(無糖)10g生地の色付けと風味付け
6g味の引き締めとグルテンの強化
インスタントドライイースト2g発酵の要。少量でゆっくり発酵させます
モルトパウダー0.3g焼き色と発酵を促進します
222g捏ね上げ温度24℃を目標に
クーベルチュールチョコ100g中に包む用。スイートチョコがおすすめ

焼成方法(2段階)

ここでは、オーブンレンジに「加熱水蒸気」モードが付いている前提で進めていきます。

①加熱方式:過熱水蒸気で最高温度設定『300℃/10分』
②加熱方式:オーブン(スチームなし)に切り替えて『230℃/15~20分』

Point
高温とスチームの使い分けが、お店のような「バリッ」とした質感を実現する鍵です。

使い方を動画で見る➡

Point(結論)

美味しいパン作りは、材料選びから始まります。

材料、特にイーストとモルトパウダーは「0.1g単位で正確に」計量してください。

Reason(理由)

イーストやモルトパウダーは、ほんのわずかな誤差で生地の状態や焼き上がりが大きく変わってしまうからです。特に家庭で作る少量レシピでは、誤差の影響が強く出ます。

インスタントドライイーストは低糖質用(赤サフ)を使います。多く入れすぎると、オーバーナイト中に発酵が進みすぎて酸味が出たり、生地がだれます。
逆にモルトを砂糖で代用しようとすると、フランスパン特有のパリッとした食感が損なわれてしまいます。

Point
プロのクオリティーを再現するためには、まず正確な計量という基本を徹底しましょう。


2. オートリーズとパンチで「こねない」生地作り

Point(結論)

「こねる」代わりに、「オートリーズ(休ませること)」「パンチ(折りたたみ)」で生地を繋げます。

Reason(理由)

オートリーズを行うことで、粉と水が自然に馴染み、酵素の働きでグルテン(生地の骨組み)が自然に形成されるからです。これにより、力任せにこねなくても伸びの良い生地になります。

ミキシングの手順

  1. 粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、30分間休ませます。
  2. 30分後、生地の端を引っ張って中心へ折りたたむ「パンチ」を入れます。
  3. さらに30分置いて、2回目のパンチを行います。
  4. 手に水をつけて作業すると、生地が手にくっつかずスムーズに行えます。
こねない製法で時間を置いて自然にグルテンが繋がったショコラフランスの生地

Point
時間はかかりますが、手間は最小限。このゆったりとした工程が、気泡の入った歯切れのいい軽い食感を生みます。


3. オーバーナイト法と復温

Point(結論)

生地は「冷蔵庫で12時間以上」ゆっくりと発酵(オーバーナイト)させてください。

Reason(理由)

低温で長時間発酵させることで、イーストの活動が抑えられる一方で、小麦の甘みや旨味が引き出されるからです。これが「噛むほどに美味しい」パンの秘密です。

Example(具体例)

  • 5℃の冷蔵庫で12時間発酵させます。
  • 冷蔵庫から出した冷たい生地にラミネーションを施してから、室温に戻して「復温(ふくおん)」させます。
  • 復温とは、冷えた生地を扱いやすい温度(約20℃前後)まで戻す作業のことです。これを怠ると、この後の成形や最終発酵がうまくいきません。

Point
「寝かせる…」何もしないことは、パンに美味しさを吹き込む魔法のステップです。


4. 成形と仕上げのテクニック

クーベルチュールチョコをたっぷりと生地に包み込んで成形する手順

Point(結論)

成形では、①生地を「張りを持たせて巻く」ことと、②チョコを完全に包み込むことが重要です。

Reason(理由)

表面に張りが不足していると、焼いた時にクープ(切り込み)が綺麗に開かず、食感も重くなってしまいます。また、チョコを完全に閉じ込めないと、焼成中に漏れ出して焦げる原因になります。

丸めからクープ入れまでの流れ

  1. 復温した生地を4等分し、優しく丸めて20分休ませます(ベンチタイム)。
  2. 生地を軽く叩いてガスを散らしたら、チョコを乗せて両端を折り、手前から奥へ張らせるように巻きます。
  3. つなぎ目を閉じて、両端を細く整えて完成させます→キャンバスへ
  4. 最終発酵が終わったら、生地を鉄パンに移して飾り用の粉を振ります。
  5. クープは真ん中から1cmほどずらし、刃の先を使って浅く入れます。

完成までの流れを動画で見る ➡

Point
丁寧な成形とクープ入れが、見た目の美しさと食感を決定づけます。


5.家庭用オーブンでの焼き上げ

家庭用オーブンのスチーム機能(加熱水蒸気)を使って焼き上げるショコラフランス

Point(結論)

「スチーム(蒸気)」をたっぷり使い、最初は最高温度で焼き始めます。

Reason(理由)

焼き始めにスチームを与えることで生地の表面が柔らかく保たれ、クープがダイナミックに開くと同時に、クラスト(外皮)がパリッと仕上がるからです。

Example(具体例)

  • 過熱水蒸気モード(300℃)で予熱します。
  • 霧吹きで湿気を作ってから生地を入れて、最初の10分はスチームたっぷりの過熱水蒸気で焼きます。
  • 10分後上の天パンは外して、通常のオーブンモード(230℃)に切り替えて15〜20分じっくり焼き色をつけます。
  • 途中で天パンを反転させ、焼きムラを防ぎましょう。

    ポイント!
    ①加熱方式:過熱水蒸気で最高温度設定『300℃/10分』
    ②加熱方式:オーブン(スチームなし)に切り替えて『230℃/15~20分』

FAQ:よくある質問

Q1. モルトパウダーは入れなくても大丈夫ですか?

A. モルトパウダー(麦芽粉末)は、フランスパン特有の豊かな風味と綺麗な焼き色、そしてクラストのパリッとした食感を生むために非常に重要です。
入れなくてもパンにはなりますが、「プロ級」を目指すのであればぜひ用意してください。砂糖ではその代わりにはなりません。

その理由を詳しく→

Q2. 生地がドロドロして扱いにくいのですが、どうすればいいですか?

A. ハード系の生地は水分量が多いため、最初はベタつくのが普通です。そこで「パンチ」の出番です。手を水で濡らしてから作業し、無理にこね回さず「折りたたむ」ことを意識してください。
また、復温が不十分だと生地が結露してベタつくこともあるので、じっくり温度を戻しましょう。

Q3. 「こねない」のに、なぜグルテンができるのですか?

A. これが「オートリーズ」の効果です。小麦粉に含まれるタンパク質と水が合わさると、時間をかけることで自然に結びつき、グルテンへと変化します。
急がず待つことが、一番の「こね」作業になります。


手作りショコラフランスの断面。外はパリッと中はしっとりした質感とたっぷりのチョコ

まとめ

今回のショコラフランス作りのポイントを振り返りましょう。

  1. 計量は緻密に: 0.1g単位の正確さが成功を左右します。
  2. 時間は味方: オートリーズとオーバーナイトで、手間をかけずに旨味を引き出します。
  3. 生地をいたわる: 強い力でこねるのではなく、パンチとベンチタイムで生地を繋ぎ、休ませます。
  4. 焼成の工夫: 高温予熱とスチームで、最高の食感を作り上げます。

焼き上がった時の、香ばしいココアと甘いチョコレートの香りは格別です。ぜひ、この本格的なレシピでご自宅のキッチンを「プロのパン屋さん」に変えてみてくださいね。


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