
はじめに
バゲットは4つの材料で作る、シンプルなパンの代表格です。
今回は準強力粉の代わりに強力粉を使って、スーパーで手に入る材料だけで作れるレシピをご紹介します。
初心者でも挑戦しやすい「ストレート法」を採用し、家庭でおいしいバゲットを焼くポイントを詳しく解説します。
ストレート法のメリットとデメリット
ストレート法の最大のメリットは、工程がシンプルで短時間で作れることです。
中種法や冷蔵発酵法に比べて発酵時間が短く、道具や作業スペースが少なくても作れるのが特徴です。
一方で、オーバーナイト製法のような長時間発酵させる方法に比べて風味がやや控えめになると言われています。
この特徴を踏まえつつ、初心者の方でも失敗しにくいコツをお伝えします。
必要な材料
このレシピでは以下の材料と道具を使用します。まずは準備が大事です。
材料(2本分)
材料 | 分量 |
---|---|
強力粉 | 300g |
塩 | 6g |
ドライイースト | 2g |
水 | 210g |
モルトパウダー | 0.3g (省略可) |
焼成:
①加熱方式:過熱水蒸気 300℃/10分
②加熱方式:オーブンに切り替えて 230℃/15分
道具
道具 | 用途 |
大きめのボウル | 生地を混ぜる |
カードやゴムベラ | 材料をこぼさずに混ぜる |
キッチンタイマー | 各工程の時間を計測 |
クープナイフまたはカッター | 生地に切れ込みを入れる |
温度計 | 水温・捏ね上げ温度を計る |
オーブン | 過熱水蒸気モード付きオーブン推奨(ない場合は蒸気の工夫が必要) |
作り方の流れ
ストレート法とは?
前日に仕込んで翌日の朝に焼くオーバーナイト製法とは異なり、材料を一度に混ぜてミキシングから焼成まで一気に進めて3時間半を目安に完成させます。
以下は作業工程の大まかな流れです。
- 材料を混ぜて生地を作る(こねる)
- パンチ入れ(折り込み作業)
- 一次発酵
- 分割・丸め(ベンチタイム)
- 成形
- 最終発酵
- 焼成(焼き上げ)
それぞれの工程を詳しく解説します。
1. 材料を混ぜて生地を作る

手ごねのやり方
家庭で手軽に始めるため、今回は手ごねの方法をご紹介します。
手順
- ボウルに強力粉、塩、ドライイーストを入れます。
- 塩とイーストは直接触れないように分けて入れるのがポイントです(塩がイーストの働きを弱めるため)。
- 水を加え、全体をよく混ぜます。
- カードやゴムベラを使い、粉っぽさがなくなるまで混ぜてください。
- 生地がまとまったら、作業台に移してこねます。
- 手の付け根を使い、生地を台に押しつけるようにこねましょう。
- 生地がなめらかになり、薄く伸ばしても破れにくい状態(グルテン膜が形成された状態)になるまで約10分ほどこねます。
- 捏ね上がったら30分室温で休ませます。
ポイント
- 最初はベタつきますが、手にくっついた生地をまめに落としながら続けましょう。
- 途中で叩きごねも交えながらなるべく楽に!
- 捏ね上げ温度は24℃が目安です。

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2. パンチ(折り込み作業)
パンチは、発酵途中で生地にガスを抜きながら折り込む作業です。これにより、発酵が均一になり、パンがさらに膨らみやすくなります。
やり方
- ミキシングから30分後、発酵途中の生地を作業台に取り出します。
- 生地を薄く広げたら、縦横の方向に三つ折りを2回繰り返して折り畳みます。
- 再びボウルに戻して発酵を続けます。
ポイント
- 手と台に水をつけて行うとくっつきにくい。

3. 一次発酵
生地をボウルに戻し、ラップをかけて一次発酵を行います。
理想の発酵は28℃/30~40分ですが、発酵機能が付いたレンジで30℃でもOK !。生地が約2倍の大きさになるまで待ちます。
4. 分割・丸め

一次発酵が終わった生地を2分割し、丸め直す工程です。
手順
- 作業台に生地を取り出し、カードを使って約250gに分割します。
- 分割した生地を軽く押して平らにし、三つ折りにします。(俵型に整える)
- 丸めた生地は乾燥を防ぐため、蓋つきの容器か濡れ布巾をかけて休ませてください(ベンチタイム20分)
ポイント
- 生地を均等に分けることで、焼きムラを防ぎます。
- 丸める際は、強くたたいてガスを抜きすぎないよう注意しましょう。
5. 成形
バゲットの形を作る成形の工程です。
手順
- 生地を軽く押してガスを抜き、長方形に広げる。
- 下から半分、上から半分に折ったら、奥から手前向かって巻き込むように成形します。
- 巻き終わりはしっかりと閉じてください。
- 生地を軽く転がし、30㎝の同じ太さに整えます。
- とじ目を下に向けてキャンバスへ…
- 奥から手前向かって巻き込む際に生地を張らせられるか?
ここで窯伸びとクープの開き具合が左右されます。

6. 二次発酵
ポイント
成形後の生地を再び発酵させます。
発酵は温度と時間の関係です。20℃以下の室温で発酵させる場合は1時間は必要になります。
方法
- 28℃で約30分間発酵させます。
- 室温で発酵させる場合は、生地が乾燥しないようキャンバスに布巾をかけて…
- 生地がひと回り膨らむ程度が目安です。
7. 焼成(焼き上げ)
今回は家庭用オーブンレンジに特化して説明します。
下の条件が揃っていない場合は、工夫が必要になります。
250℃以上の熱量があり、過熱水蒸気でスチームを出しながら焼くことで、本格的なバゲットに仕上がります。
バゲットの焼き上げは、以下の2段階の温度設定を使用します。

手順
- オーブンを過熱水蒸気モードで300℃に予熱します。
- 生地の表面に粉を振ってからクープ(切り込み)を入れます。クープナイフで5mmの深さに切ると、きれいな裂け目ができます。
- 予熱完了のアラームが鳴ったら直ぐに霧吹きでスチームを発生させてから、素早く生地を入れて300℃で10分間焼きます。
- 10分後、パンを反転させてから加熱方式を通常のオーブンモードに切り替え、230℃でさらに15~20分焼きます。途中でパンの向きを変えて焼きムラが出ないように。
ポイント
- 焼成中にスチームを加えることで、表面がパリッとした食感が生まれ、クープも開きます。
- 焼き上がりの目安は、バゲットの底を叩いたときに軽い音がすることです。
コツとアドバイス

成功のためのヒント
- 温度管理を徹底する
生地の温度は発酵に影響します。室温が低い場合は、レンジの発酵機能や湯煎を活用しましょう。 - 作業をスムーズに進める
生地が乾燥しないよう、作業中は容器に入れて蓋をしたり、濡れ布巾をかけるのがおすすめです。 - 失敗してもめげない
初めてのバゲット作りで完璧な形やクープを目指す必要はありません。焼き上がりの香りと味を楽しみましょう!
まとめ
初心者でも家庭用オーブンレンジで美味しいバゲットを作ることは十分可能です。
各工程を一つずつ丁寧に行えば、外はパリッと中はふんわりとした本格的なバゲットが完成します。
ぜひ挑戦してみてください!

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