オーバーナイトで作るこねないライ麦パン~乳酸菌が美容と健康にも効果的

ヨーグルトで~熟成の旨みと芳醇な香り

この「熟成ライ麦パン」は、オーバーナイト製法で旨みを最大限に引き出し、ライ麦本来の香りにしっかりと噛みごたえのある食感が特徴です。

また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌がパンにほのかな酸味とふんわり感を与える重要な役割を果たします。

この記事では、家庭用のオーブンレンジを使って、この「熟成ライ麦パン」を美味しく作る方法を詳しく紹介します。


分量表(2個分

材料分量
準強力粉240g
ライ麦粉60g
6g
ドライイースト2g
モルトパウダー0.3g
プレーンヨーグルト60g
180g

焼成方法

手順モード温度時間備考
過熱水蒸気300℃10分
オーブン(スチ無)230℃20分途中で反転

熟成ライ麦パン~作り方のポイント

  • ヨーグルトの活用:乳酸菌による酸味とふんわりした食感がポイント。
  • オーバーナイト製法:冷蔵庫で一晩発酵させることで、旨みと豊かな香りが加わる。
  • パンチ:生地を広げて新しい空気を取り込むことで、イーストに栄養が供給され、より膨らむパンになる。
  • 発酵の見極め:一次・二次発酵ともに時間にとらわれず、状態を確認しながら進める。
  • 焼成温度と時間:家庭用オーブンでも230~250℃あれば約25〜30分で、外はパリッと中はしっとりに仕上がる。

オーバーナイト製法とは

オーバーナイト製法とは、冷蔵庫で長時間(12~24時間)生地をゆっくり発酵させる製法です。
これにより、パンに熟成による旨みと芳醇なフレーバーが加わり、さらにヨーグルトに含まれる乳酸菌が酸味とライ麦の風味を一層引き立てます。

オーバーナイト製法についてさらに詳しく➡

ヨーグルトの役割

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、パンの発酵を助け、乳酸を生成します。この乳酸がパンに程よい酸味を与え、ふんわりとした食感を作るのに貢献します。

また、ヨーグルトが生地にしっとり感をもたらし、劣化が遅くなる効果もあります。

ミキシング

1. 材料の準備

まずは、すべての材料を正確に計量します。
特にモルトパウダーとドライイーストは、少しの誤差で出来上がりに影響を与えるので、特に慎重に行いましょう。

2. ミキシングの手順

  1. まず粉類の計量:準強力粉、ライ麦、モルトパウダーを入れて混ぜておきます。
  2. 別の容器で水にヨーグルト、塩、ドライイーストを溶かしてから、そこに粉類を加えます。
  3. ボウルに全ての材料が入ったら、粉っぽさががなくなるまで混ぜ合わせ、ラップをしてオートリーズを60分取ります。

3. ミキシングのポイント

ライ麦を使った生地は、通常の小麦粉よりも水分を多く吸収するため、初めは少し粘りが出やすい。

このレシピは、パンチを入れて生地を作っていくので材料が十分に混ざったらミキシングは終わりです。
このまま60分休ませて、水和(オートリーズ)を進めましょう。

4. パンチ入れ(1回目)~60分後

この製法は、捏ねない代わりにパンチを入れて生地を作っていきます。
まず、手に水を付けながら外側の生地を引っ張りながら、真ん中に持ってくる要領で…

ストレッチが伸びなくなったらパンチは終わりです。


YouTubeで見る➡ ナレーションと字幕で分かりやすい!

発酵の見極め

1. 一次発酵(オーバーナイト発酵)

ミキシングが終わったら、生地を容器に移して、冷蔵庫で一晩(12~16時間)発酵させます。

2. 発酵の見極め~オーバーナイト発酵後

今回、僕は5℃に冷蔵庫で12時間発酵を取っています。
発酵の見極めは口頭では伝えにくいですが、捏ね上げ温度、や室温、冷蔵庫内の温度によっても異なるので、見たり触ったりして総合的に判断しましょう。

5℃/12h発酵を取った生地

3. パンチ入れ(2回目)~12時間後

生地に打粉を振って台に移したら大きく広げて三つ折りを縦と横方向に2回繰り返します。
この工程は、生地に新しい空気を取り込むことでイーストの力が強まり、パンがより膨らみやすくなります。

【1分動画】パンチのやり方を動画で見る

こちらが最終形

生地を20℃まで復温させる

生地量が多いほど復温には時間がかかります。

5℃の冷蔵庫から出してから、室温25℃のキッチンで20℃まで復温するのに90分くらいかかってます。
低温長時間発酵のデメリットかもしれませんね…

丸めと成形

1. 分割と丸め

20℃まで復温したら、2分割して三つ折りです。強力粉で作るパンよりもガスを保持する力が弱いため
強く叩いてガスを抜き過ぎないようにやさしく扱うのがポイントです。

2. ベンチタイム

丸めた生地を20分程度、室温で休ませます。この時間を「ベンチタイム」といい、生地がゆるんで成形がしやすくなります。

ベンチタイムは丸めの強さによって変わります。30分くらい必要な時もあります。

3. 成形の方法

ベンチタイムが終わったら、表面に粉を付けて、軽く押してガスを抜き、成形に移ります。巻き込むようにして形を整え、キャンバス地にとじ目を下にして、壁を作ります(布取り)

焼成温度と焼き方

1. 焼成前の二次発酵

成形後の生地は、28℃前後の室温で二次発酵させます。発酵時間は30〜40分程度が目安です。

生地が1.5倍程度に膨らんだら、取り板を使って鉄板に移し、3分間表面を乾かしてから粉を振り、クープを入れます。

2. 焼成の温度と時間

家庭用オーブンレンジを220℃~250℃に予熱し、生地をオーブンに入れて約25〜30分焼きます。

表面にしっかりとした焼き色が付くまで、反転させながら焼きムラに注意して完成させましょう。

3. 焼成のポイント

  • スチーム機能がないオーブンでは焼き始める前に、生地の表面に少量の水を霧吹きすると、クラスト(外皮)がパリッと仕上がります。
  • 焼き上がりは、底を軽く叩いて「コンコン」と乾いた空洞のような音が、焼き上がりの目安です。

熟成ライ麦パン作りの注意点

生地の温度管理

パン作りでは生地の温度管理が非常に重要です。
復温は必ず適切な温度まで戻しましょう!

低温長時間発酵は特に、冷蔵庫の温度が高すぎて手のほどこしようがないくらいに発酵オーバーだったり…
逆に、温度が低すぎると発酵が進まず、固い仕上がりになります。

発酵の見極め

発酵時間は目安であり、生地の状態が一番の指標です。時間ではなく、生地が2倍に膨らんでいるか、指で押して跡が残るか、アルコール臭が出ていないかなど…総合的に判断しましょう。

まとめ

ヨーグルトを加えた熟成ライ麦パンは、ライ麦の風味とヨーグルトの酸味が絶妙に調和した深い味わいが特徴です。
さらにオーバーナイト製法を用いることで熟成による旨みと、芳醇な香りが加わります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌が生地に酸味と柔らかさを…
ご家庭でもプロのような本格的なライ麦パンを作ることができます。

このパンは、バターやジャムを塗ってシンプルに楽しむのも良いですが、ハムやチーズ、野菜を挟んでサンドイッチにすると、また違った美味しさを味わえます。

ぜひ、お好みの食べ方を試してください。


レッスン風景

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