【本格リュスティック】クルミとレーズンの高加水ハードパンの作り方

高加水パンならではのもっちり食感と香ばしいクラスト(外皮)が魅力の「リュスティック」。

今回は家庭のオーブンレンジでも本格的に仕上がる、捏ねないオーバーナイト製法で作る「クルミとレーズンのリュスティック」の作り方をご紹介します。

高加水生地の扱いに自信がない方も大丈夫。コツを押さえれば、手間をかけずにお店のような香ばしいパンが焼けます。


この記事の著者

材料(4~6個分)

材料名分量備考
準強力粉(リスドォル)300g高加水パンに最適なフランスパン用粉
6g味を引き締める重要な要素
ドライイースト(インスタント)1.5g長時間発酵向きに少量を使用
モルトパウダー0.3g焼き色と発酵促進に役立つ(なくても可)
240g冷水使用。高加水率(80%)がポイント
くるみ60gローストして粗く砕く
レーズン60g湯通しして水気を取る

焼成

加熱方式:過熱水蒸気で最高温度設定300℃/10分
加熱方式:オーブン(スチームなし)に切り替えて230℃/20分(途中で反転させる)


高加水ハードパンとは?

「高加水パン」とは、粉に対して水の割合(加水率)が多いパンのことです。今回のレシピでは加水率80%と高め。これにより、クラム(内層)はしっとりもっちり、クラストはパリッと焼き上がります。


作り方の全工程と流れ

  1. ミキシング(材料を混ぜる)
  2. オートリーズ(水和)+パンチ
  3. 低温長時間発酵(冷蔵発酵)
  4. フィリング(クルミ・レーズン)を混ぜ込む
  5. 生地の復温(常温に戻す)
  6. パンチ入れ→ベンチタイム
  7. 分割・成形
  8. 最終発酵(28℃/30分)
  9. クープ(切り込み)を入れる
  10. 焼成(2段階で焼き上げる)

以下、各工程を詳しく解説します。


1. ミキシング(混ぜ合わせ)

ボウルに準強力粉・モルトパウダーを入れて混ぜ、別の容器にドライイーストと冷水、塩をよく溶かしてから粉に加えます。

捏ねる必要はありませんが、しっかり混ぜること!

粉気がなくなったらラップをして60分ほど室温に置きます(これがオートリーズの準備です)。


2. オートリーズ+パンチ(折りたたみ)

60分経ったら、ボウルの中でパンチ(折りたたみ)を行います。

パンチとは?

高加水のパンにおいて、生地を引っ張って折りたたむことでグルテンを強化する技法です。力はいりません。

以下の手順で進めます:

  • 手に水をつけ、生地の端を引っ張って伸ばし、中央に折り込む
  • これを伸びなくなるまで繰り返す
  • 伸びなくなったら丸めてミキシング完了
  • 捏ね上げ温度24℃

3. 低温長時間発酵(冷蔵発酵)

パンチ後、容器に移して冷蔵庫で12~16時間発酵させます。

ポイント

  • 冷蔵庫の温度は5℃前後が理想
  • ゆっくり発酵させることで、風味と旨みが引き出されます

4. フィリングを混ぜ込む(くるみ・レーズン)

冷蔵庫から生地を取り出し、冷たいまま作業台に打ち粉をして生地を広げ、戻したレーズンと、ローストしたくるみを散らします。

生地を折りたたむようにしてフィリングを包み込むように混ぜていきます。

やり方を動画で見る ➡

5. 生地の復温(室温戻し)

フィリングを加えたあとは、再び容器に戻して室温で20℃まで復温させます。これにより生地の発酵が再び進み、フィリングが骨格を作って扱いやすくなります。


6. パンチ入れ(三つ折り)

復温後、生地が少し緩んできたところで三つ折りのパンチを入れます。

やり方:

  1. 作業台に打ち粉をして、生地をやさしく広げる(横長の長方形に)
  2. 左から1/3を中央に折る
  3. 右からも1/3を重ねて、三つ折りにする
  4. 下から1/3を中央に折る
  5. 上からも1/3を重ねて、三つ折りにする

この工程は生地に新鮮な空気を取り込むことでイーストが元気になり、パンがより膨らみやすくなる。


7. ベンチタイム(20~30分)

三つ折り後、生地を乾燥しないように容器に戻して、室温で最低でも20分休ませます

なぜ必要?

  • グルテンを落ち着かせることで生地が扱いやすくなる
  • 成形時に伸びやすく、丸めやすくなる

8. 成形と分割

生地を台に取り出し、四角く整えて平らにしてから、スケッパーで4等分、又は6等分にカットします。

成形のコツ

  • 必ず両面に粉を多めに振ります
  • 四角を優しく引っ張って角を出しておく
  • まな板で生地全体をプレスして厚さを均等に!
  • リュスティックはラフな形が特徴。カットするだけでOK
  • 最終発酵は28℃で30分

成形を動画で見る ➡

9. クープ(切り込み)

焼く直前に、ナイフやカミソリで対角線上に浅い切り込み(クープ)を1~2本入れます。これは焼成時の膨らみを助けるための大事な工程です。


10. 焼成(過熱水蒸気+オーブン)

いよいよ焼成です。家庭用オーブンレンジの過熱水蒸気モードを活用して、本格的なクラストを作ります。

焼成方法(2段階)

ステップ加熱方式温度時間備考
過熱水蒸気300℃10分スチーム効果で表面を膨らませる
オーブン(通常)230℃15~20分中までしっかり焼き込む(途中で反転)

※途中で天板の向きを変えると、焼きムラが防げます。

焼き上がりの目安

  • クラスト:バリッと音がするほど香ばしい
  • クラム:しっとりもっちり、大小の気泡が混在
  • フィリング:くるみの香ばしさとレーズンの甘みが絶妙

まとめ:おうちで極上のリュスティックを楽しもう

今回ご紹介したリュスティックは、

  • 高加水なのに捏ね不要
  • 冷蔵庫でゆっくり低温長時間発酵
  • 家庭用オーブンでも十分焼ける

ポイントを再確認しましょう:

  • 水分の多い生地には手粉とスケッパーが必須
  • パンチでグルテン形成を助ける
  • 発酵は冷蔵庫でじっくりと生地の状態を確かめながら…
  • 焼成は蒸気+高温でプロのような焼き上がりに

よくある質問(Q&A)

Q. モルトパウダーがない場合はどうすれば?

A. 入れなくても問題ありませんが、焼き色が薄くなることがあります。

Q. レーズンの代わりに他のドライフルーツでも作れますか?

A. 可能です。クランベリー、イチジク、オレンジピールなども相性抜群です。

Q. 冷蔵発酵は何時間まで大丈夫ですか?

A. 発酵は【温度×時間】です。冷蔵庫内が5℃位であれば18時間を上限として。


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3つの特徴
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2. 全ての工程を自分で行う実践的なスタイル:ミキシングから焼成までを直感的に体で覚え、
製パン講義では、パン作りを理論的に捉えることで失敗を防ぎます。

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