はじめに|家庭で作るフランスパンの悩み
「お店のようなフランスパンを自宅でも作ってみたい」――そう思ったことはありませんか?
しかし、ハード系パンは以下のようなハードルがあります。
- 発酵の見極めが難しい
- クープが開かない
- 家庭用オーブンではハードパンのパリッとした食感が出にくい
これらの悩みを解決するのが、捏ねないオーバーナイト製法です。冷蔵庫でじっくり発酵させることで、時間が生地を美味しく育ててくれます。さらに、家庭用のオーブンレンジでも本格的なクラスト(外皮のパリパリ感)を実現できます。
本記事では、パン職人が家庭向けにアレンジしたレシピ~
【過熱水蒸気300℃/10分+オーブン230℃/20分】
この焼成方法を用いて、プロ級の明太フランスを完成させます。
材料(2~3本分)
材料 | 分量 | 補足 |
---|---|---|
準強力粉(リスドォル) | 300g | ハードパン向けフランス粉 |
塩 | 6g | 生地の味を引き締める |
ドライイースト | 1.5g | 予備発酵不要タイプ推奨 |
モルトパウダー | 0.3g | 焼き色と発酵を助ける |
水 | 210g | 冷水推奨(捏ね上げ温度24℃) |
明太クリーム
- 明太子(皮を除いた状態で):50g
- 無塩バター:50g(室温に戻す)
- マヨネーズ:50g
①過熱水蒸気300℃/10分
②オーブン230℃/15~20分
工程の流れ(全体像)
- ミキシング(材料を混ぜるだけ)
- 捏ね上げ温度確認(目安23~25℃)
- パンチ入れ(折りたたんでグルテン強化)
- 低温長時間発酵(冷蔵庫で12~16時間)
- パンチ入れ(ラミネーション)→生地の復温
- 丸め・ベンチタイム(生地を休ませる)
- 成形(クッペ型)
- 最終発酵(ホイロ:約30分)
- クープ入れ(表面に切れ目)
- 焼成(過熱水蒸気モード使用)

工程ごとの詳しい解説
ミキシング
- 粉・塩・モルトパウダーをボウルに入れ、軽く混ぜます。
- ドライイーストを水に溶かして加えます。
- ゴムベラや手でひとまとまりになるまで混ぜるだけでOKです。
👉 専門用語補足:「ミキシング」とは、パン生地をまとめる作業のこと。通常は捏ねてグルテンを作りますが、今回はオーバーナイト法により時間が代わりにグルテンを形成します。
捏ね上げ温度
ミキシング後の生地温度は**23~25℃**が理想です。
温度が高すぎると発酵が早まり、低すぎると発酵が遅れます。適温の仕込み水を準備することが大切!
パンチ入れ(折りたたみ)
30分ごとに2回、ボウルの中で生地を引っ張りながら折り畳みます。
これによりグルテンが整い、ハード系らしいしなやかさが生まれます。
👉 補足:「パンチ入れ」とは、発酵中の生地に刺激を与えてガスを抜き、グルテンを強化する工程です。

低温長時間発酵(5℃/12~16時間)
- 生地にラップやフタをして5℃の冷蔵庫で12~16時間熟成させます。
- 長時間発酵により、小麦本来の風味と旨味が増します。
パンチ入れ~生地の復温(20℃まで)
冷蔵庫から出した冷たい生地にパンチ(ラミネーション)を入れ、容器に移して室温で20℃まで復温させます。
丸め・ベンチタイム
- 生地を4等分し、軽く三つ折りにします
- この段階で生地を潰しすぎないことが重要です。
- 20分休ませることで、生地がゆるんで成形しやすい状態になります。
成形(クッペ型)
- 明太フランス用にラグビーボール状に整えます。
- 表面に張りを持たせることが美しい焼き上がりにつながります。
最終発酵(ホイロ)
- 温度28~30℃、湿度70~75%が理想。
- 家庭では、オーブンの発酵機能や室温を利用して30~40分置きます。
クープ入れ
- 真ん中に1本、刃を斜めにして切れ目を入れます。
- 切れ目により焼成中のガスが抜け、きれいな開きが生まれます。
👉 補足:「クープ」とはフランス語で“切れ目”の意味。ハードパン特有の見た目と食感を作る重要な工程です。生地をオーブンに入れた直後に十分な量のスチームが必須。

焼成
- 過熱水蒸気 300℃/10分
→ パンの表面にスチームをたっぷり与えて、クープを開かせクラストをパリッと仕上げます。
最初の8~10分でクープの状態が決まる! - オーブン 230℃/15~20分(途中で反転)
→ 中までしっかり火を通し、均一に焼き色を付けます。
最低でも1回は反転させましょう。
明太クリームの作り方
- 無塩バターを室温で柔らかくしておきます。
- バター・マヨネーズ・明太子を混ぜ合わせ、なめらかにします。(いったん冷蔵して固める)
- 焼き上がったフランスパンの切り込み部分にたっぷり塗ります。(30gくらいが適量)
👉 ポイント
- 焼成後すぐに明太クリームを入れると、余熱で香りが立ちます。
- 辛さを調整したい場合は、明太子を減らしマヨネーズを増やすとマイルドに。ダレやすくなるので注意!
よくある質問(FAQ)
Q. 家庭用オーブンでも本当にパリッと焼けますか?
→ はい。過熱水蒸気を利用することで、ベーカリーに近い焼き上がりを実現できます。
Q. 冷蔵発酵は最長で何時間まで大丈夫ですか?
→ 発酵は時間と温度の関係です。5℃の冷蔵庫で12~16時間を目安にしてください。
Q. 明太クリームは保存できますか?
→ 冷蔵で2~3日保存可能です。焼きたてに塗るのが一番おすすめです。
多めに作ってパスタソースとしても…
まとめ|オーバーナイト法で作る家庭用明太フランス
- 捏ねないオーバーナイト製法により、手間を省きながら本格的な食感を再現できる
- 工程のポイントは「低温長時間発酵」と「焼成時のスチーム」にあり!
- 焼き立てに明太クリームを塗って、贅沢なベーカリーの味わいに
家庭用オーブンレンジでも、使い方次第で本格的な明太フランスを楽しめます。
週末のご褒美パンとして、ぜひ挑戦してみてください。

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