【高加水バゲット】低温長時間発酵で作る|作りやすい捏ねないレシピ

高加水バゲット

高加水とは?

高加水とは、生地に含まれる水の割合が高いことを指します。このレシピでは加水率78%(水234g/粉300g)です。 高加水パンはモチモチ感が強く、風味豊かで軽い仕上がりが特徴です。

この記事では、家庭用オーブンレンジを使い、低温長時間発酵と捏ねない製法でご自宅で美味しく作れるレシピを詳しく解説します。

ぜひご家庭でプロ顔負けのバゲットを作ってみてください。


この記事の著者

高加水バゲット
『アトリエキッチン』ムッシュふくし

【高加水バゲット】低温長時間発酵で作る|作りやすい捏ねないレシピ

高加水とは、生地に含まれる水の割合が高いことを指します。このレシピでは加水率78%(水234g/粉300g)です。 高加水パンはモチモチ感が強く、風味豊かで軽い仕上がりが特徴です。
Prep Time 1 hour 30 minutes
Cook Time 4 hours
低温長時間発酵(オーバーナイト) 12 hours
Servings: 2 本分(バゲット1本あたり約270g)
Course: パン
Cuisine: こねない作り方
Calories: 550

Ingredients
  

  • 300g 準強力粉(リスドオル推奨)
  • 6g
  • 1.5グラム ドライイースト(低糖質用)
  • 0.3g モルトパウダー
  • 234g

Method
 

  1. 材料を合わせて生地を作る
    材料を合わせる(ミキシング)
  2. オートリーズ→パンチ入れ2回(折り込み作業)
    パンチの工程
  3. 低温長時間発酵
    低温長時間発酵(オーバーナイト法)
  4. パンチ3回目(復温)
    ラミネーションと復温
  5. 分割・丸め(ベンチタイム)
    三つ折りの工程(丸め)
  6. 成形
    バゲットの成形
  7. 最終発酵
    キャンバス地を作って最終発酵を取る
  8. クープ入れ&焼成(焼き上げ)
    焼成温度
    ①加熱方式:過熱水蒸気で最高温度設定300℃/10分
    ②加熱方式:オーブン(スチームなし)に切り替えて230℃/20分
    家庭用オーブンレンジでスチームを発生させる

Video

Notes

推定原価:約70円/本
この動画は、家庭用オーブンレンジを使い、低温長時間発酵と捏ねない製法でご自宅で美味しく作れる方法を詳しく解説します。

高加水バゲット作り方解説

1. ミキシング

まず、材料を混ぜ合わせます。この段階では、生地を捏ねる必要はありません。

  1. ボウルに準強力粉、モルトパウダーを入れよく混ぜます。
  2. 塩とドライイーストはあらかじめ水で溶かしておきます。
  3. ボウルに全ての材料が入ったら、ゴムベラやカードでざっくり混ぜます。
  4. 材料が均一に混ざったら、ボウルにラップをかけて室温に置きます。

🔷オートリーズ: この作業の後、30分間放置します。オートリーズとは、グルテンを自然に形成させるプロセスです。

  1. 30分後、生地の端を持ち上げて中央に折り込む「パンチ」を1回行います。
  2. さらに30分後、もう1回パンチを入れたら冷蔵庫で発酵を取ります。

補足: パンチは生地のグルテン形成を助け、最終的な食感や気泡構造に影響を与えます。
必ず行ってください!


2. 一次発酵

一次発酵は、低温長時間発酵で行います。

  1. 生地を容器に入れ、5℃の冷蔵庫で12~16時間発酵させます。
  2. 発酵が進むと、生地が約2倍に膨らみます。これが一次発酵の完了の目安です。

    低温長時間発酵メリット: 低温発酵により、生地に複雑な風味が生まれます。また、捏ねる手間が省けるので初心者にも向いています。

重要:ご自宅の冷蔵庫内の温度を把握していますか? 発酵は温度と時間の関係です。
レシピ通りにならない…実はこれが原因では?


3. パンチ入れと復温

冷蔵庫から取り出した生地は冷たくて扱いやすい状態です。このままパンチを入れます。

  1. 作業台に打ち粉をして、生地を取り出します。
  2. 生地を薄く広げ、軽く押してガスを抜き、折り畳みます。
  3. 生地を容器に戻し、復温(約20℃)まで戻します。キッチンの温度にもよりますが、1~2時間程度かかります。

コツガス抜きは気泡を壊さないように軽めに行いましょう。発酵を促して生地を扱いやすくすることが目的です。


4. 分割と丸め

  1. 生地を2等分(約270g/個)に分割します。
  2. 俵型に丸め、乾燥しないように最低でも20分間はベンチタイムを取ります。

ベンチタイム 休ませることで、生地がゆるんで成形しやすくなります。


5. 成形

バゲット特有の細長い形に成形します。

  1. 生地を軽く押してガスを散らせます。
  2. 生地を横長に伸ばし、巻き込むように折ったら閉じ目をしっかり留めます。
  3. 軽く転がしながら、生地を30cm程度の棒状に成形します。
  4. キャンバス生地(またはクッキングシート)に並べ、乾燥を防ぐため布をかぶせます。

補足 成形時に均一な太さにすることが重要です。家庭用オーブンレンジでは30㎝大きく超えた長さでは鉄板からはみ出てしまうのでご注意!

成形を動画で見る➡


6. 最終発酵

最終発酵は、28℃で30分間が目安です。

  • 生地を指で軽く押し、跡がゆっくり戻る状態が発酵完了の目安です。
  • この間にオーブンを「過熱水蒸気/300℃」に予熱しておきます。

注意 高温での焼成を行うため、オーブンの性能に合わせて調整してください。


7. クープを入れる

クープナイフの使い方

クープ(切れ目)は、生地の膨らみをコントロールする重要な工程です。

  1. 発酵が完了した生地を乾かしてから表面に軽く打ち粉をします。
  2. クープナイフまたはカッターで、生地の表面に深さ5mm程度の切れ目を斜めに入れます。

コツクープナイフは素早く引き、切れ目の角度を一定に保つのがポイントです。

合わせて読みたい ➡バゲットのクープが必ず開く!家庭でできるプロの入れ方とスチームの科学


8. 焼成

成形やクープの技術と同じくらい重要なのが、焼成方法です。ハードパンは「スチーム」の有無が仕上がりを大きく左右します。
多くの家庭用オーブンレンジには、上位機種でなくても「過熱水蒸気」モードが搭載されています。
ここでは、過熱水蒸気モードの使い方を説明します。

オーブンの使い方動画 ➡

手順

  1. オーブンを過熱水蒸気/300℃に予熱します。
  2. 過熱水蒸気モードを使用し、10分間焼きます。(この時間でクープの形が決まる)
  3. 通常のオーブンモードを切り替え、230℃でさらに15~20分間焼成します。途中でバゲットの向きを変えると均一に焼けます。
  1. 焼き上がりの目安は、表面が全体的に黄金色になり、叩くと空洞の音がします。

注意 焼成中はバゲットの向きを変える目的以外でオーブンの扉を開けないようにしましょう。


バゲットの断面

まとめ

この高加水バゲットレシピでは、捏ねる手間を省きながら、低温長時間発酵によって豊かな風味を引き出します。各工程を丁寧に行うことで、プロ顔負けのバゲットが家庭でも実現可能です。

パン作りは、ただ美味しいものを作るだけでなく、その過程自体が癒しや達成感をもたらします。
このバゲットを通して、焼きたての魅力を存分に味わってください。


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