【完全ガイド】製パンにおけるパンチの意味と効果|ふっくら膨らむパン作りの秘密

はじめに

自家製パンでよくある失敗と悩み

自宅でパン作りを楽しんでいる方の中には、こんな失敗を経験したことがあるのではないでしょうか?

  • 焼成時に底割れや側割れが起きる(家庭製パンで最も多いかも?)
  • クラム(パンの中身)が粗くて口どけが悪い
  • 発酵中に生地がダレてしまい成形しにくい
  • 焼き上がったパンに大きな穴ができてしまった

これらの原因の多くは、一次発酵中に行う「パンチ(パンチング/ガス抜き/折り返し)」を正しく行えていないことにあります。この記事では、パンチの目的・効果・正しいやり方をわかりやすく解説します。

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パンチとは?発酵中に行う重要な工程

パンチの定義

パンチとは、一次発酵中に生地を軽く押さえたり折りたたんだりする作業です。「ガス抜き」や「折り返し」「ラミネーション」と呼ばれることもあります。

パンチの目的(なぜ必要なのか)

  1. 発酵コントロール:過発酵を防ぎ、発酵のスピードを調整する。
  2. 気泡の再編成:大きな気泡をつぶし、細かい気泡を均一に分散させる。
  3. 酵母・栄養の再分散:生地の中で酵母や糖分を均等に行き渡らせる。
  4. グルテン組織の調整:弾力と伸びのバランスを整える。
  5. 温度や水分の均一化:生地内部のムラを解消する。

ポイント

➡ パンチは、“発酵の舵取り”と“気泡とグルテンの再編成”で、最終的に均一でおいしいクラムと安定したボリュームを得るための要(かなめ)。


パンチを行うことで得られる効果

きめ細やかなクラム(パンの中身)

  • 大穴が減少し、均一できれいな断面に仕上がる
  • しっとりふんわりした食感になる

ボリュームアップ

  • ガス保持力が増し、焼成時にしっかり膨らむ

成形の安定化

  • 生地が締まりすぎず、扱いやすい状態になる

風味の向上

  • 酵母の働きが均一になり、雑味や酸味の偏りが減る
  • 小麦の香りや甘みが引き立つ

【家庭向け】パンチのやり方とコツ

基本のパンチ方法

  1. クラシックなパンチ(押さえ込み)
    • ボウル内の生地を手のひらで軽く押さえ、ガスを抜く。
    • 初心者におすすめのシンプルな方法。
  2. ストレッチ&フォールド(折りたたみ)
    • 生地の端を持ち上げ、中央に折りたたむ。
    • 90度回転させて数回繰り返す。
    • 高加水生地やサワードウに効果的。
  3. ラミネーション(薄延ばし→畳む)
    さらに均質化・強化したい高加水配合向け。気泡配置が整い、大穴抑制に効く。

ポイント
家庭製パンではがメインで、特に捏ねないパンには必須 
は、生地量がもともと多いベーカリーで多用される。

パンチを動画で見る ➡


実務的なタイミング

  • 一次発酵の前半〜中盤に1回、生地特性や温度・発酵スピードに応じて合計1〜3回
  • 高加水や弱めのグルテン:序盤に複数回の短い折りたたみ。
  • リッチ生地(バター・砂糖多め):グルテンがもろくなりやすいので回数少なめ&やさしく

パンチのタイミング目安(あくまで一般則)

  • 基本は一次発酵の中間点で1回
  • 高加水や酵母の弱い生地 → ミキシング後、2~3回に分けて行う(例:30分おきに3回)
  • リッチ生地(バター・砂糖多め):グルテンがもろくなりやすいので回数少なめ&やさしく

パンチ不足・やり過ぎによる失敗

パンチ不足の場合

  • 大きなトンネル状の穴ができる
  • 生地がダレて成形が難しくなる(モルトパウダーが多すぎても起こりやすい)
  • 焼成時に底割れや側割れが起きる(家庭製パンで最も多いかも?)

パンチをやり過ぎた場合

  • クラムが白っぽくなり風味が落ちる
  • 生地が硬くなり、伸展性がなくなる
  • 締まり過ぎて成形がやりにくい

ポイント
➡ やさしく、必要な回数だけ、生地の状態に合わせて行うのが最大のコツです!


パンの種類別・パンチの工夫

パンの種類パンチの回数・方法特徴
バゲット・カンパーニュ生地特性や発酵スピードに応じて1~3回大きめの気泡を活かしつつ均一化
食パン1~2回、しっかりとガス抜ききめ細かいクラムが作れる
サワードウ複数回の折りたたみ酸味や発酵ムラを防ぐ
ブリオッシュ等リッチな配合最小限でやさしく繊細な風味を守り、グルテンを壊さない

まとめ:パンチを理解すればパン作りが上達する

パンチは「単なるガス抜き」ではなく、

  • 発酵の調整
  • 気泡とグルテンの再編成
  • 生地内部の均一化

といった目的を持った、パン作りに欠かせない重要工程です。正しく行うことで、

  • ふっくら膨らんだパン
  • しっとりきめ細やかな食感
  • 小麦の甘みと香りが引き立つ風味

が得られます。家庭で自家製パンを楽しむ方は、ぜひパンチを取り入れてみてください。仕上がりがワンランク上がること間違いなしです!


レッスン風景

この教室だから学べること

『アトリエキッチン』パン教室は、YouTubeでチャンネル登録者2万人を集め、
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フランスで伝統的な技術を学び、それを日本の食材や家庭環境に合わせてアレンジできる  
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したがって、この教室で教わる内容は、家庭でも無理なく実践できるものです。

シェフが料理を作る

3つの特徴
1. 初心者から経験者まで~生徒一人ひとりのレベルや進度に合わせて基礎からしっかり指導!『パン作りが初めての方』もたくさん在籍しています。

2. 全ての工程を自分で行う実践的なスタイル:ミキシングから焼成までを直感的に体で覚え、
製パン講義では、パン作りを理論的に捉えることで失敗を防ぎます。

3.1レッスン完結【単発】を採用リピート率が高く、10回以上通っている生徒さんも複数いらっしゃいます。
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これらが揃った教室で『①実技 ②製パン講義 ③実食』の体験を通して~

同じ目的を持った仲間たちと一緒に、
『パン作りの楽しさを味わってみませんか?』

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