はじめに
自家製パンでよくある失敗と悩み
自宅でパン作りを楽しんでいる方の中には、こんな失敗を経験したことがあるのではないでしょうか?
- 焼成時に底割れや側割れが起きる(家庭製パンで最も多いかも?)
- クラム(パンの中身)が粗くて口どけが悪い
- 発酵中に生地がダレてしまい成形しにくい
- 焼き上がったパンに大きな穴ができてしまった
これらの原因の多くは、一次発酵中に行う「パンチ(パンチング/ガス抜き/折り返し)」を正しく行えていないことにあります。この記事では、パンチの目的・効果・正しいやり方をわかりやすく解説します。
パンチとは?発酵中に行う重要な工程
パンチの定義
パンチとは、一次発酵中に生地を軽く押さえたり折りたたんだりする作業です。「ガス抜き」や「折り返し」「ラミネーション」と呼ばれることもあります。
パンチの目的(なぜ必要なのか)
- 発酵コントロール:過発酵を防ぎ、発酵のスピードを調整する。
- 気泡の再編成:大きな気泡をつぶし、細かい気泡を均一に分散させる。
- 酵母・栄養の再分散:生地の中で酵母や糖分を均等に行き渡らせる。
- グルテン組織の調整:弾力と伸びのバランスを整える。
- 温度や水分の均一化:生地内部のムラを解消する。
➡ パンチは、“発酵の舵取り”と“気泡とグルテンの再編成”で、最終的に均一でおいしいクラムと安定したボリュームを得るための要(かなめ)。
パンチを行うことで得られる効果
きめ細やかなクラム(パンの中身)
- 大穴が減少し、均一できれいな断面に仕上がる
- しっとりふんわりした食感になる
ボリュームアップ
- ガス保持力が増し、焼成時にしっかり膨らむ
成形の安定化
- 生地が締まりすぎず、扱いやすい状態になる
風味の向上
- 酵母の働きが均一になり、雑味や酸味の偏りが減る
- 小麦の香りや甘みが引き立つ

【家庭向け】パンチのやり方とコツ
基本のパンチ方法
- クラシックなパンチ(押さえ込み)
- ボウル内の生地を手のひらで軽く押さえ、ガスを抜く。
- 初心者におすすめのシンプルな方法。
- ストレッチ&フォールド(折りたたみ)
- 生地の端を持ち上げ、中央に折りたたむ。
- 90度回転させて数回繰り返す。
- 高加水生地やサワードウに効果的。
- ラミネーション(薄延ばし→畳む)
さらに均質化・強化したい高加水配合向け。気泡配置が整い、大穴抑制に効く。
家庭製パンでは1と3がメインで、特に捏ねないパンには必須!
2は、生地量がもともと多いベーカリーで多用される。
実務的なタイミング
- 一次発酵の前半〜中盤に1回、生地特性や温度・発酵スピードに応じて合計1〜3回。
- 高加水や弱めのグルテン:序盤に複数回の短い折りたたみ。
- リッチ生地(バター・砂糖多め):グルテンがもろくなりやすいので回数少なめ&やさしく。
パンチのタイミング目安(あくまで一般則)
- 基本は一次発酵の中間点で1回
- 高加水や酵母の弱い生地 → ミキシング後、2~3回に分けて行う(例:30分おきに3回)
- リッチ生地(バター・砂糖多め):グルテンがもろくなりやすいので回数少なめ&やさしく。

パンチ不足・やり過ぎによる失敗
パンチ不足の場合
- 大きなトンネル状の穴ができる
- 生地がダレて成形が難しくなる(モルトパウダーが多すぎても起こりやすい)
- 焼成時に底割れや側割れが起きる(家庭製パンで最も多いかも?)
パンチをやり過ぎた場合
- クラムが白っぽくなり風味が落ちる
- 生地が硬くなり、伸展性がなくなる
- 締まり過ぎて成形がやりにくい
➡ やさしく、必要な回数だけ、生地の状態に合わせて行うのが最大のコツです!
パンの種類別・パンチの工夫
パンの種類 | パンチの回数・方法 | 特徴 |
---|---|---|
バゲット・カンパーニュ | 生地特性や発酵スピードに応じて1~3回 | 大きめの気泡を活かしつつ均一化 |
食パン | 1~2回、しっかりとガス抜き | きめ細かいクラムが作れる |
サワードウ | 複数回の折りたたみ | 酸味や発酵ムラを防ぐ |
ブリオッシュ等リッチな配合 | 最小限でやさしく | 繊細な風味を守り、グルテンを壊さない |
まとめ:パンチを理解すればパン作りが上達する
パンチは「単なるガス抜き」ではなく、
- 発酵の調整
- 気泡とグルテンの再編成
- 生地内部の均一化
といった目的を持った、パン作りに欠かせない重要工程です。正しく行うことで、
- ふっくら膨らんだパン
- しっとりきめ細やかな食感
- 小麦の甘みと香りが引き立つ風味
が得られます。家庭で自家製パンを楽しむ方は、ぜひパンチを取り入れてみてください。仕上がりがワンランク上がること間違いなしです!

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