はじめに~こねないオーバーナイト製法
このレシピでは、通常フランスパンに使われる「準強力粉」ではなく「強力粉」を使います。
また、こねる工程を省き、オーバーナイト製法(低温長時間発酵)を使うことで、初心者でも容易に作れるように工夫しています。
今回は家庭用オーブンレンジを使って、スーパーで買える材料だけで、できるだけ簡単に本格的なフランスパンを作っていきましょう!
材料(6個分)
- 強力粉:300g(カメリヤ推奨)
- 塩:6g
- ドライイースト:2g
- モルトパウダー:0.3g(なくても作れますが、あると風味が増して焼き色が付きやすい)
- 水:210g
工程の流れ
- ミキシング:材料を合わせ、オートリーズを1時間取ってパンチを入れる。
- 一次発酵:5℃の冷蔵庫で12~16時間低温発酵させる。
- パンチ入れ:生地が冷たいまま折りたたんで20℃まで復温させる
- 分割と丸め:約85g/個に分割して丸める。
- 成形:丸め直し、ガスを抜き過ぎない→キャンバスへ
- 最終発酵:28℃/30分(湿度75%)
- 焼成:
①加熱方式:過熱水蒸気 300℃/10分
②加熱方式:オーブンに切り替えて 230℃/15分
ナレーションと字幕で分かりやすい!
下準備
このプチフランスは、夜に生地を仕込み、翌朝に焼き上げるレシピです。発酵には時間がかかりますが、その分手間がかからないので、楽して作りたい方におすすめ。
材料の計量とミキシング
計量のポイント
まず、全ての材料を計量しましょう。正確に計ることが、美味しいパンを作るための第一歩です。
- ドライイーストは入れすぎに注意!今回は2g(小さじ1/2)です。
できれば、0.1g単位で正確に! - モルトパウダーも0.1g単位で計量しましょう。
- 水は冷たい(10~15℃)ものを使います。発酵をゆっくり進めるためです。
ミキシング~パンチ
- ボウルに全ての材料(強力粉、塩、ドライイースト、モルトパウダー、水)を入れます。
- カードやゴムベラなどで混ぜ合わせます。粉が水分を吸収し、粉っぽさがなくなればOKです。しっかりこねる必要はありません。
- オートリーズ60分後、手に水を付けて生地を引っ張りながら折りたたみます(パンチ1回目)
ポイント:混ぜ合わせただけの生地はパサパサでつながっていない状態ですが、オートリーズを60分取ることで伸びとツヤが出てきます。
一次発酵:低温でゆっくり長時間発酵
ミキシングが終わったら、冷蔵庫で一次発酵させます。オーバーナイトでゆっくりと発酵させることで生地に旨みが増します。
発酵の目安
冷蔵庫で12〜16時間置きますが、理想の温度は5℃です。冷気は下に溜まりやすい性質があるため、庫内でも場所によって温度差が生じます。
発酵温度はとても大事なので、温度計を使って把握しておきましょう。
発酵の見極め方
- 生地が発酵前の1.5倍くらいで全体的にふっくらと盛り上がっている。
- 表面が滑らかでツヤがある
注意:生地が発酵しすぎると酸味が出やすい。
パンチ2回目(翌朝)
一次発酵が終わったら、生地を冷蔵庫から取り出し、薄く広げてから折りたたみます。この工程は、生地に新しい空気を取り込むことでイーストの力が強まり、パンがより膨らみやすくなります。
パンチのやり方
- 生地を台の上に出し、手で優しく広げます。
- 生地の端を中央に向かって折りたたむように三つ折りにします。
- 縦と横方向に三つ折りを2回繰り返したら容器に移して20℃まで復温させます。
ポイント:力を入れすぎないように、生地を優しく扱ってください。
丸めと成形:プチフランスの形を整える
上記の分量で作った場合、約85g/個で6個取れます。
成形は丸め直しなので説明を省きます。
丸めのやり方
- 約85gに分割。
- とじ目をしっかり閉じてガスを逃がさないように…
- 最終発酵は28℃/30分が目安です。発酵温度は1℃や2℃の違いでも差が出ます。
冬の室温で発酵させる場合は要注意。 - 手のひらで軽く押してガスを全体に分散させます、中央に向かって折って丸めます。
ポイント:表面が張るように丸められるとボリューム感のある焼き上がりに!成形時はパン内部に粉が残らなように打粉を使いすぎないように注意しましょう。
焼成:2つのモードを使いこなす
焼成は温度と時間で決まります。
ここでは、家庭用のオーブンレンジ使用を前提に、過熱水蒸気モードの使い方を説明します。
①加熱方式:過熱水蒸気 300℃/10分
②加熱方式:オーブンに切り替えて 230℃/15分
焼成温度と時間
- オーブンレンジを「過熱水蒸気300℃」に予熱します。鉄板は上段に入れて温めておきましょう。
- 予熱完了のアラームが鳴ると同時に、霧吹きでスチームを発生させ、下段に素早くパンを入れなし「過熱水蒸気300℃」で10分焼きます。(理由は下で説明)
- 10分後、上の鉄板を外してからパンは反転させ、モードを「オーブン230℃(スチームなし)」に切り替えて完成まで焼きます。
- 「オーブン230℃(スチームなし)」では10~15分が目安ですが、途中で再びパンを反転させます。
「過熱水蒸気300℃」について
この機能は、ほとんどのメーカー・機種で制限があり、300℃でスタートしても焼成の途中で自動的に230℃に切り替わってしまいます。
そのため、予熱を長く取ると取った分だけ300℃で焼成できる時間は短くなります。
これが予熱完了のアラームが鳴ると同時に焼成を始める理由です。
ー 家庭製パンに強いと言われている「東芝・石窯ドーム」でも同じです(実機で検証済)
焼成のポイント
- スチーム:パンの表面に艶を出し、クープ(切れ目)をしっかり開かせるために重要です。
- 反転:どんなオーブンにも癖があります。反転させて焼きムラを防ぎましょう!
まとめ
いかがでしょうか?「こねないプチフランス」は手間がかからない分、じっくり長時間発酵させることで生地本来の風味と旨みが引き出されます。
各工程のおさらい
- ミキシング:こねずに材料を混ぜるだけ
- 一次発酵:5℃の冷蔵庫で12〜16時間発酵
- パンチ入れ:軽くガス抜きして気泡を均一にする
- 成形:表面が張るように丸めてガスを逃がさない
- 焼成:スチームをかけて2段階で焼き上げる
このレシピなら、家庭用オーブンでも本格的なプチフランスを楽しむことができます。初心者でも手軽に挑戦できるので、ぜひ試してみてください。
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