ベーグルは材料、製法ともにシンプルですが、実は「発酵の取り方」や「茹でる工程(ケトリング)」で差が現れるパンです。
パン作りの経験がある方なら、基本の流れは理解していると思いますが、ベーグルならではの注意点を押さえることで、家庭用オーブンでもお店のような仕上がりが実現できます。
この記事では、**ストレート法(約2時間半で完成)**を使った基本のベーグル作りを、工程ごとにやさしく解説します。
【重要】特に多い失敗例「ベーグルの表面が焼成後にしわになる」現象の典型的な原因とは?
結論として、ベーグルは「短めの発酵」「茹でる工程」「高温で焼き上げる」この3点を意識することで、家庭でもモチモチ&ツヤツヤに仕上がります。
家庭用オーブンで作るベーグルの基本材料(4個分)
材料 | 分量 |
---|---|
強力粉(カメリヤ) | 250g |
塩 | 5g |
砂糖 | 15g |
ドライイースト | 2g |
水 | 140g |
シンプルですが、この配合でベーグル特有の「しっかりした噛みごたえ」と「もっちり食感」が生まれます。
全体の流れ(完成まで約2時間半)
- ミキシング(こね)
- 一次発酵
- 分割
- 丸め
- ベンチタイム
- 成形
- 最終発酵
- ケトリング(茹で)
- 焼成(220℃/18分)
ベーグル生地のこね方(ミキシングの基本)
パン作りの基礎となる工程です。材料を均一に混ぜ、生地を作っていきます。
手順
- ボウルに強力粉・塩・砂糖を入れて軽く混ぜる
- 水にドライイーストを溶かし、粉類に加える
- 粉気がなくなるまで混ぜる
- 台に移し、手のひらの付け根で押すようにしてこねる
ポイント
- 手ごねの時間は20分前後。捏ね上げ温度24~26℃
- 表面がなめらかで、軽く押して戻る程度になれば完了
💡捏ねないレシピもありますが、ここではしっかり捏ねることに重点を置いています。
家庭用オーブンでの発酵方法~ 一次発酵

生地を休ませてガス(二酸化炭素)を含ませる工程です。ただし、ベーグルは短発酵が特徴。
手順
- ボウルにラップをかけ、室温またはオーブンの発酵モード(35℃)で30分ほど
- 生地が約1.5倍に膨らめばOK
ポイント
- 通常のパンは2倍まで発酵させますが、ベーグルは膨らみすぎると柔らかくなり、モチモチ感が減少します
- 表面を指で押して「ゆっくり戻る」状態が目安
⚠️発酵しすぎると「ふわふわパン」に近づいてしまい、ベーグルらしさが失われます。
ベーグル生地の分割と均一に仕上げるコツ
発酵後の生地を均等に分ける工程です。
手順
- カード(スケッパー)で4等分にする
- ガスを抜いて三つ折り
- 1個あたり約100g前後が目安
- 重さを測ると仕上がりサイズが揃い、焼き上がりが均一に
きれいに丸める方法
生地を三つ折りにする(仮成形)工程です。
手順
- 生地にたまったガスを抜いて、三つ折りにします。
- 整った俵型に丸めると成形しやすくなります
ベーグル作りに必要なベンチタイムとは?
丸めた休ませることで、生地の緊張がとけて成形しやすくなります。
手順
- 丸めた生地を乾燥しないように15~20分休ませる
ポイント
- 休ませる時間が短すぎると伸ばしにくい
- 長すぎると生地がダレて扱いにくい
💡「成形しやすい柔らかさ」になったらちょうどいい状態です。
丸める(三つ折り)の強さによって時間が変わります。
ベーグルの成形方法|基本テクニック
ベーグルの特徴的なリング型にする工程です。
方法:棒状にしてつなぐ
- 生地をめん棒で8×15㎝にのばす
- 巻いて棒状に成形後、転がして長さを出す(長さ18㎝が最適)
- 片方の端に4㎝ののりしろを作り、もう一方を巻き込むように重ねる
- つなぎ目をしっかり閉じる
ポイント
- つなぎ目が弱いとケトリングで外れてしまう
- 2の工程で長さが18㎝を大きく超えるとベーグルというよりもドーナッツ型に近くなる
最終発酵|家庭用オーブンでの目安
成形した生地を焼成前に軽く発酵させます。
手順
- 室温またはオーブンレンジの発酵モードで35℃/20分ほど
- 膨らみは控えめでOK
ポイント
- 長時間発酵させると柔らかくなりすぎて「ベーグルらしい弾力」が消えます
- 表面が少しふっくらすれば十分
ケトリング(茹で)

ベーグル最大の特徴であり、仕上がりを左右する工程です。
手順
- 鍋にたっぷりの湯を沸かす
- お湯に対して、砂糖を2%加える(はちみつ・モルトシロップでもOK)
- 成形した生地を静かに入れ、「片面30秒ずつ」又は、「片面1分ずつ」茹でる
- 網じゃくしですくい、水気を切る
ポイント
- 茹でることで表面が͡糊化(こか)し、焼いたときにツヤが出ます
- 時間が長すぎると皮が厚くなからりすぎるので注意
- 茹でた後は、水気を切って天パンに移してから焼成
💡ここでの「片面30秒ずつ」又は、「片面1分ずつ」がベーグル特有のもっちり感を決める重要な要素です。
家庭用オーブンでベーグルを焼く方法(220℃/18分)
いよいよ仕上げの工程です。
手順
- オーブンを220℃に予熱しておく
- 茹でた生地をオーブンシートを敷いた天パンに並べる
- 220℃で18分焼成(要調整)
ポイント
- 高温で一気に焼き上げることで皮がパリッと仕上がります
- 焼き上がりはこんがりきつね色、表面はツヤツヤ
ベーグル作りで失敗しやすいポイント
- 形が崩れる → 成形のつなぎ目をしっかり閉じる
- 皮が厚すぎる → ケトリングの時間が長い
- ふわふわすぎる → 発酵させすぎ
- 焼き色が薄い → オーブン温度をしっかり予熱する
【重要】ベーグルの表面がしわにならないためのチェックリスト
❌ 失敗例:焼成後に表面がしわになったベーグル
👉 発酵の取りすぎや、焼成温度が低いとしわになりやすいです。
✅ 成功例:つやのあるきれいなベーグル

👉 発酵は控えめ、ケトリング後すぐに高温で焼けばつやっと仕上がります。
チェックポイント表
工程 | チェックポイント | 理由 |
---|---|---|
一次発酵 | 生地が2倍になる前に止める | 発酵過多を防ぎ、生地の力を残すため |
最終発酵 | 20分前後で切り上げる | ベーグルは短発酵でOK。過発酵だとしぼみやすい |
ケトリング(茹で) | 茹でたらすぐに焼成へ | 時間を置くと表面がだれてシワの原因になる |
ケトリング後 | 表面の水分をしっかり切る | 水分が多いと焼成時に表面が縮みやすい |
焼成温度 | 220℃にしっかり予熱 | 高温で皮を素早く固めることでシワを防ぐ |
焼成時間 | 焼き色がしっかりつくまで焼く | 焼き不足は縮みの大きな原因になる |
まとめ(記事の結論)
ベーグルは「しっかり捏ねて」「発酵は短め」「茹でてから焼く」という3つの特徴を押さえるだけで、お店級に仕上がります。
パン作り経験者であれば、こねや発酵の感覚はすでに身についているはずです。その上で、ベーグル特有のケトリングを加えれば、外はパリッと中はモチモチの理想的な仕上がりに!
家庭用のオーブンレンジでも十分再現可能ですので、ぜひ週末に「基本のベーグル」を作ってみてください。

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