今回は、りんごの甘酸っぱさとふんわりとしたパンの食感が絶妙に組み合わさった『りんごパン』をご紹介します。
工程こそ多いですが、家庭用の道具を使ってベーカリーやパティスリーの味にも劣らないパンの一つです。
この記事では、家庭用のオーブンレンジを使い、美味しい『りんごパン』を作る方法を詳しく解説します。
ミキシング、発酵、生地の温度管理、成形、そして焼成温度まで、各工程のポイントを押さえて、プロのように美味しいパンを焼くコツを学びましょう。
- 講師 福士勝文
- ▶定員6名までの少人数制
▶すべての工程を自分で
▶1レッスン完結型 (単発)
材料(18㎝丸型)1台分
生地の材料
材料 | 分量 |
---|---|
強力粉(カメリヤ推奨) | 225g |
砂糖 | 15g |
塩 | 4g |
ドライイースト | 2.2g |
牛乳 | 175ml |
無塩バター | 15g |
・一次発酵:35℃/60分
・最終発酵:35℃/40分
・焼成温度:190℃/20分
りんごソテー
- りんご :1個 (動画では『サンつがる』使用。甘くて酸味が弱いのが特徴)
- 砂糖 :10g
- バター :10g
- シナモン(お好みで):2g使用でかすかに香る程度
アイシング
- 卵白 :12g
- 粉糖:50g
計量は正確に!
卵白と粉糖を混ぜるだけですが、卵白は1~2gの誤差でも状態が変わるので注意!
ナレーションと字幕で分かりやすい!
ミキシング(生地の作り方)材料を揃える
パン作りでは、すべての材料を正確に計量するだけではなく、それぞれの温度にも気を配ってはじめて美味しいパンが完成します。
1. ミキシングの方法
ミキシングは、パンの弾力と膨らみなど… 食感を左右する大事な工程です。
- ボウル①に強力粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れます。
塩はイーストの活動を抑制するので、直接イーストに触れないように、離れた場所に入れましょう。(バターはまだ加えない) - 別のボウル②に適温の牛乳を入れたら、ボウル①の粉類を合わせて混ぜ合わせる。
- 粉っぽさがなくなってきたら、台に移して手で捏ねます。
- まとまってきたらバターを加えてしっかりと練り込みます。
生地が滑らかで、弾力が出るまで捏ねましょう。 - 薄い膜が張るようにったら捏ね上がり!理想の捏ね上げ温度は26℃です。
2. ミキシングのポイント
生地をしっかりこねることで、グルテン(パンの弾力のもと)が形成され、ふわっとした食感が生まれます。
こねる際は、手のひら(手首に近い)で生地を押し伸ばし、もどす動作を繰り返します。
発酵の見極め
1. 一次発酵の方法
こね上がった生地をボウルに入れ、ラップをして【35℃/60分】一次発酵を取ります。
発酵機能がない場合、夏場は室温でも発酵が可能ですが、冬場はボウルを湯せんにかける方法が有効です。
発酵を時間で判断するよりも、生地の状態を見極めることが大切です。
生地が2倍の大きさになっているか、指で押した瞬間のもどり具合でも確認できます。
2. 発酵のポイント
- 室温や湿度によって発酵時間は変わるため、時間にとらわれず、生地の状態を確認しましょう。
- 過発酵になると、生地が膨らみすぎてベタつき、焼き色が薄く、ぼそぼそした食感になるのが特徴です。
りんごフィリングの作り方
1. りんごの準備
りんごは皮をむいて芯を取り、1㎝の角切りにします。
砂糖は10gですが、酸味の強い品種(紅玉・ジョナゴールドなど…)は増やしてください。
2. りんごのソテー
フライパンにバターを熱し、りんご、砂糖、シナモンを加えて強火でソテーします。
りんごがきつね色に色付いたら火を止めて冷ましておきます。
3. フィリングのポイント
- りんごの種類にもよりますが、柔らか過ぎると生地に包んだ際に水分が出てしまうので、強火で短時間で仕上げます。
- シナモンを加えると風味が豊かになりますが、苦手な方は省略しても構いません。
僕は今回2g加えていますが、わずかに香る程度でした。
好きな方は増量しても良いと思います。 - 早めに作って冷蔵したり、十分に冷めていない場合など…
どちらも発酵に影響が出てしまうので常温がベストです。
丸めと成形
1. 丸めとベンチタイム
一次発酵が終わった生地を軽くつぶしてガスを抜いたら、三つ折りを2回繰り返して。
蓋つきの容器や濡れ布巾をかけて20分ほど休ませる「ベンチタイム」をとります。
この時間を取ることで生地がゆるんで成形がしやすくなります。
2. 成形の方法
ベンチタイムが終わったら、めん棒を使って生地を22㎝×30㎝に伸ばします。
上の4㎝はのりしろとして残し、それ以外のスペースにりんごフィリングを乗せます。
ひと巻き目は強い芯を作って、その後はなるべくゆるく巻いていきます。
きつく巻くとこのように上にらせん状に伸びて格好が悪く仕上がってしまいます。
理由は下で詳しく↓
ちょっとした力加減でも仕上がりに差が出ます。
この失敗例は『シナモンロール』でも多く見受けられます。
◆成形→発酵の過程で生地が膨らみ、横に伸びる力が締め付けられた結果、縦に伸びる… ご注意ください。
のりしろをくっつけたら、とじ目をつまんで密着させます。
6つに切って型に詰めたら成形終了です。
3. 二次発酵
成形後は、35℃/40分で最終発酵を取ります。
発酵の進み具合を見ながらオーブンの予熱を忘れずに!
発酵機能にスチームが付いている場合は、何もかぶせないで発酵を取ります。
焼成温度と焼き方
1. 焼成の温度と時間
最終発酵が終わったら色付け用の溶き卵を塗り、190℃に予熱が取れたオーブンで20分程度焼きます。
焼き色が均一につくように焼成の途中に型の向きを変えて最後まで面倒を見ましょう。
二次発酵は【35℃/40分】
僕は20年を越える、料理人人生でクセのない『業務用オーブン』に出会ったことがありません。
どんなに高価で高性能であってもです。
それよりもスペックが低い『家庭用のオーブン』で焼き始めから~終わりまで入れっぱなしって… そりゃー 仕上がりに差が出て当然ですよ。
どんなパンでも、必ず1回は焼成中に向きを変えてください!
十分な発酵が得られた生地の状態
2. 焼成のポイント
- 卵液を塗ってから、乾かして2回目を塗るとつやつや感が増します。
- 焼きムラを防ぐため、途中でパンの向きを変えて!
- オーブンによって焼き加減が異なるため、パンの表面がきれいな焼き色になるまで、様子を見ながら焼き時間を調整しましょう。
りんごパン作りの注意点
生地の温度管理
生地作りの段階で重要なのは、温度管理です。
特に、発酵時の室温や生地の温度が高すぎたり低すぎたりすると、イーストの活動が正常に行われなくなります。
ここで捏ね上げ温度がレシピ通りになるよう、牛乳(水分)の適正温度の計算式を載せておきます。
これ大切、プロは皆やってる!
水温=(捏ね上げ温度ー摩擦係数)×3ー(室温+粉温)
※摩擦係数は捏ねるときに生じる温度:道具により変化
大まかですが、今回はここまで。別の記事で特集します。
発酵のタイミング
発酵の見極めが出来ていないせいで、美味しいパンにたどり着けない方がたくさんいらっしゃいます。
発酵は「時間」ではなく、「生地の状態」で判断します。見た目の張り、指で押した時の弾力、香りなど…
複数の要素を組み合わせることで正確さが増していきます。
まとめ
りんごパン作りのポイントは、ミキシングや発酵の見極め、生地の温度管理、そして成形と焼成です。
生地作りやフィリング、アイシングに手間がかかりますが、工程を一つひとつ丁寧に進めることで、ご家庭でも美味しいパンを作ることができます。
りんごのやさしい甘さと、ふんわりとしたパン生地の組み合わせを楽しめるりんごパンは、朝食やおやつにもぴったり。
ぜひ、ご家庭で挑戦してみてください!
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フランスと東京で豊富な経験を持つ講師が対面で直接指導!
フランスで伝統的な技術を学び、それを日本の食材や家庭環境に合わせてアレンジできる
プロフェッショナルです。
したがって、この教室で教わる内容は、家庭でも無理なく実践できるものです。
【3つの特徴】
1. 定員6名までの少人数制:初心者から経験者まで~生徒一人ひとりのレベルや進度に合わせて基礎からしっかり指導!
2. 全ての工程を自分で行う実践的なスタイル:ミキシングから焼成までを直感的に体で覚え、
製パン講義では、パン作りを理論的に捉えることで失敗を防ぎます。
3.1レッスン完結【単発】を採用:リピート率が高く、10回以上連続で通っている生徒さんもいらっしゃいます。
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『パン作りの楽しさを味わってみませんか?』
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