はじめに~「低温長時間発酵」とは何か?
一般的には冷蔵庫・ドゥーコンディショナーなどの低温環境(5~10℃程度)で、
数時間から場合によっては24時間以上、生地をゆっくりと発酵させる製法で、ストレート法に比べて発酵時間が長いため、
少ない酵母でより多くの糖分が分解され、より豊かな風味と食感が生み出されます。
天然酵母と組み合わせるレシピが多く、乳酸菌の働きにより劣化を遅らせ、パンの保存性が向上します。
血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。
特にこの製法は、バゲットやカンパーニュなどのハード系パン、ピザ生地など…風味や食感を重視したい場合に非常に適しています。
ここからは、低温長時間で作るパンの特徴やストレート法との比較、
それぞれのメリット・デメリットについて詳しく説明します。
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低温長時間発酵のメリット
1. 風味が豊かになる
酵母がゆっくりと糖を分解し、パンに複雑な風味や香りが生まれます。特に、酸味や甘味、独特の香ばしさが強調され、より豊かな味わいになります。
特に、天然酵母を組み合わせたレシピでは、オーバーナイト製法の利点を最大限活かすことができます。
2. 賞味期限が長くなる
生地に含まれる酵母や乳酸菌の働きにより、酸化を防ぎ、パンの保存性が向上します。
また、発酵によって生成されるアミノ酸や糖類が増えるため、パン自体が深みを持ち、より長く美味しく保存できます。
3. 消化吸収がよくなる
発酵の過程でデンプンが分解されブドウ糖に変わるため、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
また、パンに含まれるフィチン酸などの抗栄養物質が分解され、栄養素の吸収が促進されます。
オペレーション面では、捏ねないレシピが多く存在し、ミキシングにかかる時間が短くすみます。
生地が冷たく保たれるため、分割と丸めの工程がやり易く、
発酵によって生地がダレる(柔らかくなりすぎる)心配も少ないため作業効率のアップも期待できます。
低温長時間発酵のデメリット
1. 時間がかかる
低温長時間発酵は、一般的な発酵時間に比べて長い時間が必要になります。
そのため、ストックスペースや復温にかかる時間が生産性の低下を招くことがあります。
2. 温度管理が難しい
一定の温度のまま、多くの場合5℃で12時間から長いもので24時間発酵させるため、温度管理が重要になってきます。
焼き上がりから逆算して適切な温度で発酵を取ることで、
パンに独特な風味や食感を生み出すことができますが、一方で過発酵でパンのボリュームや焼き色に影響を与えたり、強い酸味の原因になるため、経験や技術が必要になります。
3. 手間がかかる
市販のイーストより発酵力が弱い天然酵母を使用するパンも多く、野生の酵母を時間をかけて培養するため、よりも多くの手間と時間、スペースが必要です。
ここでも時間と温度の管理が出てきます。
また、発酵具合の最終的な判断は香りや目で行うため、初心者には見極めが難しいのが欠点の一つです。
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『低温長時間発酵』と『ストレート法』の比較
それぞれの製法による違いを表にまとめています。
特徴 | 低温長時間発酵 | ストレート法 |
---|---|---|
発酵時間 | 12〜24時間 | 0.5〜1.5時間 |
発酵温度 | 5〜15℃ | 25〜35℃ |
発酵方法 | 天然酵母や酵母種を使用 | 市販の酵母を使用 |
パンの風味 | 酸味がある、コクがある | 香りや風味はあまりない |
パンの食感 | もちもち、しっとりとした食感 | もっちり、やや粘り気のある食感 |
パンの保存 | 保存期間が長い | 短い保存期間 |
『低温長時間発酵』と『ストレート法』の違い
低温長時間発酵で作るパンは…
より長い時間と低い温度で発酵させるため、天然酵母や酵母種などの微生物が発酵し、
パンに酸味やコクが加わります。
また、発酵の過程でできる炭酸ガスの量が少なく、パンの粘り気やもちもちした食感が生まれます。
さらに、保存期間が長く、しっとりとした食感が持続します。
一方、ストレート法で作るパンは、市販のイーストを使用し、発酵時間が短く、発酵温度も高めです。
このため、オーバーナイトで作るパンに比べて、保存期間が短く、パンの風味や食感も劣化しやすくなります。
以上のように、
低温長時間発酵とストレート法では、発酵時間、温度、発酵方法、パンの風味や食感、保存期間などに違いがあります。
どちらの方法が優れているかは、好みや用途によって異なります。
まとめ
低温長時間発酵で作るパンのメリットとデメリットについて、以上のように説明してきました。
手間や時間がかかるものの、風味や栄養価、食感、保存期間などの面で優れています。
また、その風味や食感は独特で、多くの人に愛されています。
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