オーバーナイトで作る~こねないパンドカンパーニュ~低温長時間発酵

パン・ド・カンパーニュ』とは?

パン・ド・カンパーニュとは、フランス語で「田舎風パン」という意味。

フランスでは、そのほとんどが自然酵母を使って作られています。

芳醇な香りとほどよい酸味があり、外側はカリカリ、内側はもちもちとした食感が特徴的で、
お食事と一緒にシンプルな味わいを楽しむパンです。

今回は、低温長時間発酵(オーバーナイト法)を使って、テーブルロールサイズの「プチ・カンパーニュ」を家庭用オーブンレンジで美味しく作れる方法をご紹介します。

この記事の著者

低温長時間発酵で作る『プチカンパーニュ』

材料(6個分)

  • 準強力粉:250g(リスドオル推奨)
  • 全粒粉:50g
  • :6g
  • ドライイースト:1.5g
  • モルトシロップ:1g
  • :216g

工程の流れ

  1. ミキシング:材料を合わせ、オートリーズを取って30毎にパンチを3回入れる。
  2. 一次発酵:5℃の冷蔵庫で12~16時間低温発酵させる。
  3. 分割と丸め:6分割して、生地が冷たいまま丸めて18~20℃まで復温させる
  4. 成形:丸め直し、ガスを抜き過ぎない→キャンバスへ
  5. 最終発酵:28℃/30分(湿度75%)
  6. 焼成
    ①加熱方式:過熱水蒸気 300℃/10分
    ②加熱方式:オーブンに切り替えて 230℃/15分

YouTubeで見る➡ ナレーションと字幕で分かりやすい!

手順① 生地の準備

パン・ド・カンパーニュは、小麦粉、水、塩、天然酵母、モルトシロップ(モルトパウダー)を使いますが、

自然酵母は種を起こすのに時間がかかるため、今回はドライイーストを使います。

手順② 発酵の見極め

低温長時間発酵は、発酵の見極めがとても重要です。

生地の量や温度、湿度などによって、発酵時間が変わるため、見る・触る・嗅いでみて発酵の進み具合を見極めることが大切です。

一般的に発酵時間は、8~16時間とパンの種類や生地量によって変化します。

今回僕は、5℃/12h発酵を取っています。


プチフランス

パン作り全般に言えることですが、
特にフランスパン(バゲット・カンパーニュ・リュスティック)のような副材料が入らないリーンな生地は、丸め&成形・発酵を正しく行うことで、美しい形と食感が生まれます。

今回は、手でちぎって食べるテーブルロールサイズの「プチカンパーニュ」を作っていきます。

冷蔵庫から出した生地を室温で復温させることで、酵母や乳酸菌の活性が回復し、発酵が再開されます。

これによって、パンの風味や食感が向上します。

手順③ 家庭用オーブンレンジを上手に使う

この動画では、HITACHIの製品を使っていますが、どのメーカーのものでも基本的な使い方は同じです。

【焼成時:天板の役割】クープが割れるために必要なスチームをパンにまんべんなくかける目的で入れています。

スチームの吹き出し口がオーブンの左側・中央の側面にあるため(機種によって異なるかもしれません)
上下2枚の鉄板を使って庫内を一次的に狭くし、スチームが無駄に拡散してしまうのを防いでいます。

パンをオーブンに入れてから10分以後はスチームが必要なくなるので、
上段の天板は外し、今度は熱風が庫内をムラなく循環できるように調節しています。

オーバーナイトで作る~こねないパンドカンパーニュ

生地を作る~ミキシング

このレシピは、準強力粉と全粒粉を使います。
準強力粉は、強力粉と薄力粉の中間の強さを持つ粉で、加水率が高い生地(今回は72%)に適しています。

全粒粉には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

このように、2種類の粉を使うことで、パンに豊かな風味が生まれます。

・モルトシロップは、焼き色をよく付けるために使用します。
・材料が全て入ったら、粉っぽさがなくなるまで混ぜていきます。

混ぜただけの生地がこちら ↓

弾力がなく、すぐにちぎれてしまいます。このまま30分休ませて水和を進めてください。

水和が進むにつれてグルテンがつながり生地が強くなっていきます。(オートリーズ)

パンチを入れる

この製法は、こねない代わりに30分ごとにパンチを3回入れることで生地を作っていきます。

パンチとは、生地に新しい空気を取り込むことで、イーストの力が強まりパンがより膨らみやすくするために行います。

やり方はまず手に水をつけて、外側の生地を引っ張りながら真ん中に持ってくる要領で折り畳みます。

生地はだんだん伸びなくなってきます。無理に引っ張らず丸めて終了です。
ラップをして30分後、同じ工程を繰り返します。


パンチが2回終わると指が透けて見えるくらい薄い膜が張るようになります。
さらに30分休ませてパンチ3回目になると、生地にツヤと粘りが出てくるのが確認できると思います。

これで生地は完成です!

容器に薄く油を塗っておくと生地が綺麗に剥がれます。
理想の温度は5度、 冷蔵庫で12時間から16時間発酵を熟成させましょう。

分割&丸め(復温させてから)

冷蔵庫から出したばかりの生地は6度でした。

復温させてから始める方法もありますが、 ここでは冷たいまま分割→丸めを進めて、
ベンチタイムを長く取ることで常温に近づけていきます。

発酵した生地を6等分して丸めていきます。
準強力粉の生地は強力粉と比べてガスを溜めておく力が弱いので丸めは軽く。

丸めが終わったら18~20℃になるまでベンチタイムを取ります。

蓋のついた容器や強く絞ったふきんをかけて生地を乾燥から守ってください。

復温の目安は18~20℃です。
ちなみに、この日は18℃まで上がるのに40分かかりました。

プチカンパーニュ成形

成形も丸めと同じ要領できつく締めすぎないように丸め直してください。
丸め直した順に打粉をふったキャンバスに移していきます。

最終発酵の理想は28度・湿度75%で30分、または常温で様子を見ながら取ります。

季節や環境によって発酵時間は異なるため、適宜チェックを行ってください。

クープ入れ&焼成

いよいよ、発酵が終わった生地をオーブンで焼き上げます。最終発酵が終わったら生地を鉄板に移し、表面にクープを入れます。
また、飾りを施したい場合は、このタイミングで行うと良いでしょう。

お好みで粉を振るとクープが入れやすくなります。

焼く温度や時間はお使いのオーブンによって異なりますが、220~250℃の高温で20分程度焼きます

焼き上がりの目安は、生地の表面がキツネ色になり、底を叩いてみて『コンコン』と高い音が目安です。


『プチカンパーニュ』をより美味しく

  1. 焼き立てをそのまま食べる
    パンは、焼きたてのうちに食べるのが一番美味しいです。

    どんな有名ベーカリーの味にも勝りますよね。
  2. 厚めにスライスしてトースト
    厚めに切るのがコツ!
    表面が再びカリカリになり、中は温かくてしっとり。

    バターやジャムと一緒に。
  3. お好みの具材をはさんで
    カンパーニュは癖がないので、サンドイッチ用のパンとしても非常に適しています。

    ハム・チーズ・レタス・トマト…
    ちょっと贅沢に「パテ・ド・カンパーニュ」とピクルスやキャロットラペ…なんて最高ですね!
  4. ワイン&チーズと一緒に
    カマンベールやブルーチーズ、ウォッシュタイプなど…
    お好みのワインと合わせて楽しみましょう!

最後に

今回のレシピはいかかでしたか?
このプチカンパーニュは、夜に生地を仕込み、翌朝に焼き上げたい場合に便利なテーブルロールです。

発酵には時間がかかりますが、その分手間がかからないので、楽して作りたい方におすすめの製法です。
是非、挑戦してみてください!


レッスン風景

この教室だから学べること

『アトリエキッチン』パン教室は、YouTubeでチャンネル登録者15,000人を集め、
フランスと東京で豊富な経験を持つ講師が対面で直接指導!

フランスで伝統的な技術を学び、それを日本の食材や家庭環境に合わせてアレンジできる  
プロフェッショナルです。

したがって、この教室で教わる内容は、家庭でも無理なく実践できるものです。

レッスン後の食事風景

【3つの特徴】
1. 定員6名までの少人数制:初心者から経験者まで~生徒一人ひとりのレベルや進度に合わせて基礎からしっかり指導!

2. 全ての工程を自分で行う実践的なスタイル:ミキシングから焼成までを直感的に体で覚え、
製パン講義では、パン作りを理論的に捉えることで失敗を防ぎます。

3.1レッスン完結【単発】を採用:リピート率が高く、10回以上連続で通っている生徒さんもいらっしゃいます。

これらが揃った教室で「実技・製パン講義・実食」の体験を通して~
同じ目的を持った仲間たちと一緒に、
『パン作りの楽しさを味わってみませんか?』

コメント

  1. ヒムカ より:

    サワー種を使う場合
    どのような分量で置き換えればいいでしょう?